リンクについて

初めて自分のウェブページを作った頃(1997年頃だと思う)は、リンクを設定する際に、事前にそのページに書かれた連絡先に、「AのページからBのURLにリンクを設定したいのですが、よいですか? 返事がなければリンクは設定しません」という文面のメールを送っていた。そのメールが元でいろいろな人と意思疎通することができたのは、とても面白い経験だった。お互いに掲示板やメーリングリストで面識はあったけれど、リンク承諾願いのメールで初めてメールをやり取りすることも少なくなかったし。

いつ頃からか忘れたけれど、その方針はやめて、無断でリンクを設定するようになった。今思うに、大きな理由は2つあった。まず、ウェブページの数がとても多くなったこと。なんでこれれが理由なのかを説明することはうまくできないけれど、いちいち承諾を得るのは面倒だなぁ、という身勝手な理由と言えるのかもしれない。

もうひとつの理由は、検索ページの性能が劇的に上がったことだ。これを強く感じたのは、infoseekを初めて使ったときだと思うのだけれど、それ以前は、閲覧側がウェブページを知る手段というのはそう多くなかったように思う。多くの場合は口コミだったり、閉じたメーリングリストでの紹介だったりで、そのURLを周知していいのかどうか、確証が持てなくて、であるが故に本人の承諾を得たいと思う状態だった。しかし、infoseekやgoogle(それ以前の千里眼とかもそうだったかも)の登場で、ページの主人の意思とは無関係に(robot避けとかはできるのだろうけど)ページの存在を見つけられるようになった。で、実際に、検索ページで有用なページを見つける機会も増えた。

そのような状況において僕は、「検索ページで見つけることができるページ、またはそのようなページからの(悪意を伴わないように見える)リンクについては、ページの主人の承諾なしにリンクを設定していいのではないか」という気持ちになった。僕から見て「あー、このページはリンクされたくないだろうな」と思えるページへのリンクはしないようにしているつもりだけれど、ディープリンクとかは遠慮なくしちゃっている。

つまるところは「いちいち了承を得るのが面倒くさいんだけど、リンクはしたい」ということなのかもしれないとは思うが、現時点におけるリンクに関する気持ちをまとめてみたくなったので、書いてみました。

昨年、無断リンクをあまり快く思わない方がいらっしゃるという話を知り、どうしたらより多くの人の幸せを害さずに、でも自分にとっても面倒のないやり方を取れるかというのは、少しだけ考えている。これからも少しずつではあるものの考えたいとは思っている。