ゾディアック

イクスピアリで鑑賞。上映時間が長いことを理由に駐車場を4時間無料にしてくれた。嬉しいね。

以下、ネタバレ。

つまらない映画ではないと思うのだけれど、いかんせん、何も起こらなすぎる、または、何も解決しなすぎるように感じた。元にしている事実がそうなんだから仕方ない、と言われればそれまでなのだろうけれど、だとすればそのような事実を映画にしようとしたセンスを責めるべきか。

僕がデイビッド・フィンチャー的であると考えて、この映画に期待していたものは、ほとんど表れなかった。タクシーの空撮と、新聞社のオフィスとゾディアックの手紙が重なって流れる画面くらいだろうか。そもそも僕はセブンを見てないし、パニック・ルームはオープニングタイトル以外惹かれるものがなかったと思っているので、デイビッド・フィンチャー的なものとはファイトクラブエイリアン3の組み合わせでしかないのではあるが。

パルマブラック・ダリアとよく似たコンセプトで作られているのではないかと感じた。有名な事件のドキュメンタリーを、それなりに有名な監督がノスタルジーたっぷりに手堅く作る。監督の個性というか、その監督っぽい要素をちょこっと入れるのはお約束で、あとは1970年前後あたりの風俗(階段を降りるスプリング、ダーティ・ハリー、アタリのテレビゲームなど)を取り込んで懐かしさを楽しめるようにする、みたいな感じ。日本でいえば「三丁目の夕日」ってそんな位置づけなのかもしれないけれど、ホームドラマにするか、犯罪ゴシップにするかはお国柄の違い、と。

冒頭、FBIとCIAの字幕が思いきり入れ替わっていて失笑。しっかりしていただきたい。