Live Earth - 京都・東寺

JR 京都駅の南側は驚くほど空が広い。建物はどれも低いし、お店も少ない。法律で規制されているのか、単に栄えていないのか。宿泊先から10分くらい歩くと、五重の塔が見えてきて、やがて歩道を埋める行列に行きあたった。開場が18時で開演が19時というが、何千人(何万人?)の観客をどうやって整理番号順に入場させるのだろうと不安になった。でもさすがに相手はプロで、開演はきっちり19時だった。すげー。

列の最後尾まで歩いている途中に友達に声をかけられる。うひー、恥ずかしいけど、声をかけてもらえる人がいるのはうれしいね。みんな元気そうだった。

整理番号が1067番だった僕は割と前の方で、するすると席を探しているうちに、S席としては前から5列目(その前にはSS席が数列あった)の下手側に席を確保できた。1人だとちょっとしたスキマに入り込めるからいいんだけど、自由席で1人だと席を離れられないのが厳しいね。

リップ・スライム、UAボニー・ピンクマイケル・ナイマン。生で聴くのは初めて、というよりは、きちんと構えて聴くのはどれも初めて。知ってた曲は「ピアノ・レッスン」だけだったけど、どれもとても綺麗に響いていて心地よかった。東寺の建物をバックにしたステージはとても荘厳な眺め。

リップ・スライムのちょっとおどけたような謙虚さがおもしろかった。曲もかっこいいじゃない。UAは歌がうまい人なんだなと改めて。ボニー・ピンクはコンパクトな編成できちんと響くアレンジを作っててえらいなー。マイケル・ナイマンの途中で珍走な人のエンジン音が響き渡ったんだけれど、あそこは面白いステージにするというか、ライブ演奏者としての技量を見せる最大のチャンスだったんじゃないかともったいなく思った。

Yellow Magic Orchestra名義でライブをやるのはいつ以来何だろう。1981年のウィンターライブのチケットにこのバンド名が書かれていたと思うけど、散開ライブはどうだったんだろうね。横浜でやったHASと同じような内容なんだろうなと予想はしていたけれど、このバンド名を使うんだから何かあるのかもしれない、という期待はちょっとだけあった。ちょっとだけしか期待しなかったのは、期待しすぎて疲れるのがいやだったからだね。

蓋をあけてみれば演奏したのは4曲。MCなし(ちょっと期待してたんだよ)。どれも僕にはピンとこない。細かいところ、たとえばユキヒロのドラムの音は素敵とか、教授のフワっとしたコードがいい感じとかにグっと来なかった訳じゃないけれど、細かい部分を探さないとグッことないっていうのもどうかと思うんだよね。

見逃したことを後悔したくないから見る、という目的は見事に達成されたわけで、期待した以上のものはなく、だからこそ期待外れで傷つくこともなかった。好きなものに接することというのは、自分んがその好きなもののどこが好きなのか、なぜ好きなのかを思い返して再認識して、そのものへの愛情を深める効果があると思う。YMO、大好き。