スウィーニー・トッド

面白くないとは思わないけれど、面白いとも思えず。こちらの記憶力が悪いだけかもしれないが、ミュージカル映画は劇場を出た後で1曲くらいは口ずさめる曲があってほしいと思う(今回はなかったです)。

劇中、ジョニー・デップクリストファー・ウォーケンが重なることが何度となくあった。思えば、クリストファー・ウォーケンは知らぬ間に「彼っぽい役どころ」というのをあちこちに作ってしまったように思う。後続のものがうっかりその役どころに踏み込めば「あ、クリストファー・ウォーケンもそんなことやってたね」と言われてしまうのではないか。これは映画界が憂慮すべき事態だと思う。悪役に、ちょっと狂ったお父さん役に、ミュージカルに、ナイーブそうな男の役に、悲劇のエスパーに、うーむ、これでいいのか。クリストファー・ウォーケンの今後に期待していない訳ではないが、彼がさらに「彼の役どころ」を増やしてしまって、後続の役者の進むべき道を狭めてしまって良いのだろうか。