蟲師

豊洲ユナイテッド・シネマを初めて訪れて観賞。悪くない映画館だとは思うけれど、とっても良い映画館だとも思えなかった。少なくとも、都心にある古い映画館よりは全然よい。

クレジットにかつて勤めていた会社の名前があり、かつての上司だったり、同期入社だったりが名前を連ねていたことに驚いた。ふーん、今はそういう仕事もやる会社になったんだ、と若干の嫉妬のような、焦りのような複雑な気持ち。

上映中に隣に座っていた人と、前列に座っていた人の携帯電話のバイブレータがうなっていたのと、後ろの列に座っていた人の靴底の音がうるさかったり、席をキックされたりしたのが悲しかった。

以下、蟲師のネタバレあり。

画面の雰囲気は非常に面白い。特に、登場人物がまとっているボロ布や謎の大量の小物たち、そして、家だったりお堂だったりの壁などにぶら下がっている色々なものの形だったり色合いだったりが、とてもリアルなものに思えた。これって、大友克洋のマンガでも良く見る図柄であるように思うので、おそらくは監督の意図か、漫画家としての大友のそういう図柄への思いを理解しているスタッフによるものなんだろうと思う。

映画において描かれる世界はとても面白いと思う。角が生えちゃう子供の話、蒼井優ちゃん(最後のクレジットを見るまで、「のどごし生」の女の子だと思っていた野のは内緒)の話、主人公の子供の頃の江角マキコとの話、ヘビのような虹を追う話、どれも好き。

でも、蔵の中でムシに取り付かれてしまった(?)主人公が、それを解決していく(?)終盤がいまひとつうまく飲み込めなかった。実は江角が生きていた、という設定までは面白かったのだけれど、偶然に江角の家にたどり着いちゃうところに共感しきれなかったし、江角の家にたどりついた後のエピソードもうまく理解できなかった。主人公は忘れてしまった過去を思い出したことで、どう幸せになったの?