だめだこりゃ - いかりや長介

だめだこりゃ (新潮文庫)

ジャズ喫茶(?)出演時にも、「8時だヨ!全員集合!!」のコントでも、周囲に鬱陶しく思っていることを感じてでも、リハーサルや段取りを重視したといういかりや長介の考え方が、自分がバンドをやっていたときとダブった。程度はまったく違う(いかりや長介の方が数万倍上にある)ことはわかっているが、彼の何万分の一か分からないけれど、きちんと準備すべきところをおさえて、そこをきっちり準備して、そこだけでもきちんと演じることの重要性にはものすごくシンパシーを感じて、グッとくる思いだった。

僕は中学生の中ごろくらいから、ザ・ドリフターズにあまり魅力を感じなくなってしまった(ヒゲダンスの頃は、既に全員集合を見てなかった)のではあるけれど、時系列で語られるザ・ドリフターズの歴史は、知らない部分に驚き、知っている部分に激しい懐かしさを感じた。さまざまなコントや東村山音頭など、ハッキリと頭の中によみがえってくるのが面白い。「ディスコばあちゃん」って何だ?と一瞬分からなかったけれど、あー、あれね、とすぐ思い出した(具体的に説明するのが難しい。背中を曲げた志村けんが「あ~ぁ」って歌う奴)。

いかりや長介ザ・ドリフターズに加入した直後のエピソードは新鮮だった。小野ヤスシってドリフターズだったのね。若い人がYMOのメンバーを知らなかったりするのは、こういう感覚なのかも知れないと思った。