リンガー

シアターNを訪れたのはこれが初めて。というか、ユーロスペースじゃなくなってから訪れたのはこれが初めて。劇場が2館ある状態になっていたのは、ユーロスペース時代からのことだったか。以前訪れたのがいつだったか、何を見たのかも思い出せないが、「モロン」「ブラザー・フロム・アナザー・プラネット」「レポマン」なんかを見たな。もう20年くらい前の話。

場内にとっても豪快に笑う人がいてちょっと醒めた。喜怒哀楽ゆえの音を立てるのは、上映中におしゃべりするのとは別で許されるものだろうとは思うのだけれど、僕から見てあんまり不自然な感情表現に見えちゃう人が同じ館内にいるとちょっと残念に思う。まぁ、いやなら自宅でDVD見てなさい、ってことか。

以下、「リンガー」のネタバレ。

この映画を知ったのはアークライト・シネマズのウェブの新作紹介だったと思う。知的障害を持つ人たちのオリンピックを舞台にしたコメディということで、(出演してるのがジョニー・ノックスビルだというのもあって)かなり不謹慎かつブラックな内容を想像してしまった。

実際に見てみると、とても無難な筋立てで、スペシャル・オリンピックスも割りとまじめに描かれている。舞台はユニークなんだけど、映画としてはとても普通の映画であるように感じた。

思っていたよりも普通の映画であることについつい気持ちを奪われてしまい、映画そのものを楽しむ気持ちが少し減ってしまった。見終えて改めて思い出してみると、序盤に他の出場者からウソを見抜かれてしまうとか、主人公はオリンピックに優勝しないが賭けには勝つというハッピーエンドぶりや、懺悔の部屋からパンチを繰り出すもののちゃっかり賭けはしておく神父さんとか、面白い話は多い。