テレビ救急箱 - 小田嶋隆

「テレビ標本箱」が厳しい内容だったので、この本は読むまいと思っていたが、ついつい購入してしまった。で、読んで後悔。残念ながら、この内容にはついていけない。

小田嶋隆は口は悪いけれど、攻撃的な文章を書くのは下手(または僕の好みに合わない文章になってしまう)のではないかとかねてから思っている。「罵詈罵詈雑言」も同じようなしんどさがあった。とはいえ、今回の厳しさはそれだけではなくて、テレビ番組を攻撃する道具として視聴率や常識といったものを使ってしまっていることに、さびしさのようなものを感じてしまった。

小田嶋よ。

視聴率なんてインチキだ、あんなのに振り回されているテレビ屋は、って思わなくなっちゃったのか?

それとも、そういう種類のものと手打ちをしてでも、テレビとやりあう必要があるのかい?

残念ながら、ナンシー関はもう死んでしまったし、彼女がいなくなった穴はあまりに大きい。

少なくとも人一人で埋められるものじゃないんだよ。

「私は決して手を抜かない」

かつてそう言っていたよね。

もし「標本箱」とか「救急箱」がそんな真面目さからくるものだとしたら、

一息ついて手を抜いてみてはどうかと思う。

うーむ、小田嶋っぽい文章を書こうかと思ってみたけれど、無理だった。