8.0 作者との対話

ゲームに限らず、ネットの普及によって作者と受け手とが直接やりとりをすることが非常に容易になりました。それは作者への電子メールであったり、ウェブ掲示板やメーリングリストであったり、です。

スタッフにメールで送った質問が迅速に返答される状況に、私は当初とても感動しました。しかし徐々にその状況をあまり楽しく思えないようになってきました。

非常に失礼な言い方をすると、果たして、デザイナーを含むスタッフからの返答やコメントには、どの程度の信憑性があるのでしょうか。

例えば1対1でやり取りしたメールについてはどの程度の一貫性があるのでしょう。質問によって答えがズレる可能性はないのでしょうか。それらのやり取りはユーザに返信される前にどの程度のチェックをなされているのでしょうか。

また、ウェブ掲示板などのコミュニティでおこなわれたやり取りにしてもそうです。こちらは比較的多くの人間の目でチェックされてはいますが、過去になされた数千、数万のやり取りの整合性は果たして取られているのでしょうか?

そして、ネットを使用していない、またはそれらのコミュニティや、サポートを使用していない人に、これらのやり取りの上で出来上がる「ルールブックに載っていない事柄」はきちんと知らせられるのでしょうか?

これらのやり取りが「パッケージに含まれているものだけで、完全にプレイできる製品を提供する」ということに対してマイナスにならないかなぁ、と年寄りは心配になってしまいます。

例えば今、GCACWメーリングリストはGrant Takes Commandのリリースに伴って活況を呈しています。その中には作者のかなり重要そうなコメントも少なからず見受けられます。

でも、メールが垂れ流されていくだけの状況で、それを整頓して取って置こう、という気持ちにはなれず、最近は適当に読み流してどんどん捨てていくようになりました。それらはきちんと誤解の無い形でサマライズされるのでしょうか?

それともそれらは「便所の落書き(c)筑紫哲也」にすぎないのでしょうか。

今後、僕が「ネットのある世界でのウォーゲーム」にもう少し慣れれば、こんなことを感じなくなるのかな、とちょっと期待しつ、状況を見ていこうとは思います。